らっきょうの歴史
中国の中部から東部地区原産の多年草で、日本へは平安時代以前に薬用植物として渡来したとされています。その後、江戸時代頃には薬用としてではなく、食用として使用されるようになったようです。
その当時の栽培の主流は、鳥取や福井での砂丘地栽培でしたが、明治時代以降、宮崎や鹿児島、茨城など国内各所でも栽培されるようになっていったようです。
らっきょうとエシャレット
元々種などは同じものですが、食材としての使用方法の違いと、それにともない栽培方法が異なるようです。
エシャレットは生食用として使用されますが、これは根とそこから延長した茎の白い部分まで使用できるよう軟化栽培を行ない、辛味成分が強くなる前のものを若採りしているので、生食で使用できるようです。
また、らっきょうは5月~6月の短い期間に出回りますが、エシャレットはほぼ周年市場で回っていています。
洗いらっきょうと泥付きらっきょう
スーパーなどで販売されているものには、『泥つきらっきょう』と『洗いらっきょう』があります。
『洗いらっきょう』は皮を剥き、茎と根を切除して芽が出ないように塩水などで洗ったもので、下処理が終わっているので、らっきょう漬けをすぐに作ることができるようになっています。また『泥つきらっきょう』は文字通りその他の下処理がされずに流通しているもので、使用するときには、皮を剥き、根と芽を切除して使用する。
らっきょうの種類
国内で栽培されているらっきょうの種類は余り多くないようです。以下の四種類が主に栽培されている種類のようです。
らくだ
在来品種で、最も一般的ならっきょうで各地で栽培されている。特徴は、草丈は比較的長く成長し、一度に収穫できるらっきょうの数が多く、粒も大きい。
八房
『らくだ』と『玉らっきょう』のちょうど中間ぐらいの大きさで、重量が軽い。在来品種の中玉品種で収穫量はやや少ないようです。
九頭竜
最近の改良品種でできたもので、名前のように、小さい玉が10個ほど分球して能率よくたくさんのらっきょうを収穫することができる品種のようです。
玉らっきょう
台湾などの輸入物がほとんどで、生産国で甘酢付けなどの加工されたものが、国内で流通します。在来品種と異なり、草丈は余り成長せず、球根部分は白くて臭気が余りない。また、綺麗な花を咲かせるので、『花らっきょう』と呼ばれることもあるようです。
エシャレット
前項でも記述しましたが、生食用とし主に食べられる若採りらっきょう。出荷される形状が葉付で(ちょうど『ちょんまげ』のように葉を束ねてある。)出荷され、葉付らっきょうなどとも呼ばれるようです。
因みにフランス玉ねぎ「エシャロット」とは全く別の物。
らっきょうの栄養価
ねぎやにんにくなどと同じように、らっきょうには硫化アリルというイオウ化合物が多く含まれています。硫化アリルには、ガン抑制効果や体内の疲労物質を分解効果があるといわれていて、毎日数個食べるだけで、がん予防や疲労回復に効果があるようです。
また、ビタミンB1の吸収効果を高める働きがあり、体内の新陳代謝を活発にして、脳機能の活性化などにも効果がありようです。
その他に、カルシウム・リン・鉄・ナトリウム・食物繊維・たんぱく質などなどの成分も多く含んでおります。
ただし、余り食べ過ぎると、胃に負担がかかり、食効果も軽減してしましますので気をつけましょう。
らっきょうの保存方法
成長が旺盛で、常温で放置しておくと、中心から芽が伸びてきますので、すぐ漬物などの加工をしない場合は、表面が乾燥しないように袋などに入れ、冷蔵保存するようにしましょう。ただし生ものですのでなるべく早く使い切るようにしましょう。
選び方のポイント
形状がふっくらとした丸みを帯びていて、全体的に白いもので、粒が揃っているものが良品とされています。また表面が乾燥などで萎れていないキズなどのないもので、中心部分から芽が伸びていない新鮮なものを選ぶようにしましょう。