とまとの歴史
トマトは南米のペルーが原産で、かなり古い時代より栽培されていたようです。 その後15世紀頃、コロンブスが観賞用としてヨーロッパへ持ち込まれた物の中から、スペイン人が食用として改良して現在のようなトマトの原型ができました。
日本へは観賞用もしくは薬用として18世紀頃に一度導入され、明治初期に今度は食用の野菜として再び導入されたようです
その後、国内での需要が伸び始めたのは第二次世界大戦後で、食文化の欧米化やハウス栽培などが拍車をかけ、現在では一年中トマトを食べることができるようになりました。
とまと出荷時期
トマトの旬の時期といえばやはり夏ですが、現在では露地栽培の他に、ビニールハウスや温室栽培などの栽培方法の確立や、品種改良の飛躍的進歩により一年を通してトマトを収穫することができます。(ビニールハウスの生産比率は全体の約60%以上です。)
とまとの赤
トマトの鮮やかな赤はリコピンという色素で、最近注目を集めています。
リコピンはベータカロチンの2倍、ビタミンEの約100倍もの抗酸化力があり生活習慣病全般の予防に大変役立つそうです。
ことわざに「トマトが赤く熟すと、医者が青くなる。」というものがありますが、昔からトマトの薬効は珍重されていたようです。
とまとのつぶつぶ
トマトのゼリー状の部分には、ペクチンが多く含まれます。
ペクチンには血中のコレステロール値を下げる働きがあり、血液がサラサラになって、血の循環が良くなります。(むくみや肩こりに効果があります。)
きれいな球形に近いもので表面に張りがあり、頭に白い線が放射線状に出ているトマトに、多くのゼリー含まれていて、その線に沿ってスライスすればゼリーを溢さずに食べることができます。
とまとの種類
桃太郎
主現在もっとも一般的なトマトで、市場で流通している大玉トマトの約半数以上を占ています。
酸味も少なく、果肉が熟しても崩れにくい品種として開発されたもので、病害虫に強く、1983年の発表以来、現在の主流品種となっています。
「桃太郎」という品種名の由来は、販売元の「T社」の会長のお孫さんの名前「太郎」と桃色系トマトの「桃」を合わせて造られたようです。
流通時期は5月~9月頃。
ファーストトマト
果実の形状がやや腰高で先が尖っているのが特徴的。
果肉が厚くて、ゼリー状の部分が少ない為、スライスしても型崩れしない。食味はあまり酸味がきつくなく、甘味が多い 。
桃色系の大玉品種で、桃太郎などの完熟型が普及する前の主流種。
冬トマトの代表品種のひとつ。
ミディトマト
ちょうど大玉トマトとミニトマトの中間サイズのトマト。中玉トマトとも呼ばれています。
通常のトマトと比べてビタミンCとカルシウムの含有量が多く、糖度も高く、日持ちもします。
路地栽培すると裂果する確立が高いので(品種にもよるが、)温室栽培のものが多い。
現在流通しているものに、華(はな)クイン・ヘルシーミディ・レッドオーレなどの品種があります。
ミニトマト
ミニトマトはトマトの栽培原種に近い種類です。
日本での栽培初期の品種名が『ぺティトマト』だったことから『プチトマト』とも呼ばれます。
大玉トマトよりもペクチンやカリウムの含有量が多い 。
赤色のほかにオレンジやイエローのものがあり、サラダなどの生食用に使われます。
イタリアントマト
イタリアでは代表的な赤色系のトマト。水分が少なく表皮が硬く果肉もしっかりしているので、煮込みや炒め物に使われています。
缶詰や輸入の物が多かったが、最近では国内産のものも多く出回ってきています。
特有のにおいがあります。(日本ではサン・マルツァーノ種やローマ種などを購入できる。)
フルーツトマト
トマトの大玉品種(桃太郎・サンロード・ファーストなど)を意図的に過酷な環境下で栽培すると、トマト自身が実に甘味やうまみを蓄えます。
こうして収穫したトマトは果物のように甘いことから、フルーツトマトや高糖度トマトなどと呼ばれます。
塩トマト
甘味を引き出すために塩分の多い場所で栽培されたもの。(桃太郎等を使用する。)
もともとは『塩害トマト』などと呼ばれ、市場価値も無く生産者が処分していたそうです。
表皮が硬く締まっていてシャリ感があり、糖度が非常に高く塩分も含んでいる 。
とまとの効果
トマトにはビタミンAやビタミンC、ミネラル、クエン酸などを多量に含まれています。
- ビタミンAは皮膚や粘膜を強くして、風邪などの感染症にかかりにくくします。
- ビタミンCはストレスに強くしたり、肌荒れなどの予防に効果を発揮します。
- ミネラル(カリウム、セレンなど)は普段の生活で必要なミネラル分を補給してくれます。
- クエン酸は疲労回復に効果があります。
とまとの見分け方
トマトの選び方のポイントとしては、まずへたを見ます。へたが鮮やかな緑色で枯れていないものほど新鮮です。
そして果肉部分ですが、丸みがあり全体的に締まっていて、表面に張りがあって、色ムラの少ないものを選びましょう。
そして手に持ったときに、ズシリと重いものは糖度の高いトマトの可能性が高いです。
追熟型と完熟型
トマトには「追塾型」と「完熟型」があります。
昔はトマトを青いうちに収穫して、皆さんの食卓に上がるまでの間に赤く追熟させていました。
しかし現在では品種改良が進み、完熟してから収穫しても品質の変わりにくい「完熟型」と呼ばれるトマトが開発され、トマトの主流となり広く一般に流通しています。
とまとの保存方法
へたを下向きにして、密閉したポリ袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室で保管します。(大体、購入してから4~5日は持ちます。
青い完熟していないものは、室温で約8割位まで完熟させてから使用すると、おいしく食べられます。