すいか

すいかの歴史

スイカの起源については諸説様々ですが、一般的には南アフリカのカラハリ砂漠原産といわれているようです。

4000年ほど前の古代エジプトで栽培が始まり、中近東やロシア南部では主に飲料用として用いられ、地中海沿岸や東アジアでは果実として発達していったようです。

その後ヨーロッパからシルクロードを経て11世紀頃中国へ渡り、西域から渡ってきた瓜ということで『西瓜』と呼ばれるようになったようです。

日本への伝播は正確には不明ですが、16世紀に中国より隠元禅師によって持ち込まれたという説と、同時期に日本へ来たポルトガル人によって種子島に持ち込まれ、その後に九州地方へ広がったという説があります。またその当時導入された品種は青臭く、品質も良くなかったので、あまり好まれなかったようです。

その後、明治時代以降にアメリカなどより『アイスクリーム種』に代表される様々な甘い品種が導入されて日本各地で本格的な栽培が行われるようになりました。昭和初期ごろ、全国で交雑の進んだ品種の中から、奈良地方の大和群(水田の裏作用の品種)と千葉地方の都群(畑作用品種)の選抜が行われ、現在栽培されている西瓜の基礎が出来上がっていったようです。

すいかの切り方

すいかの種は一般的に表面の縞目に沿って並んでいます。カットする場合はこの縞目と縞目の間を切ると包丁に種も当たらず、切断面もきれいに見えるようです。(逆に表面に種が出たほうが食べたときに種の処理がしやすいという場合は、縞目上を切るようにすると表面に種が出やすい。)

また、すいかは中心部分が大体一番甘いので、中心から放射状になるように切り分ければ、一番甘い部分が均等に近い状態で切り分けることができます。

切り分けたすいかの保存は、切断面にラップをまいて冷蔵庫に入れておくのが好ましいですが、切断されたものは日持ちもせず、すぐ腐食してしまうので、なるべく早く食べきるようにしましょう。

すいかのカット販売

最近スーパーの店頭でカット売りの西瓜を目にする機会が多くなってきました。出始めの西瓜の価格が高いため、カットして買いやすい価格に合わせる目的で行われてきた販売方法ですが、『中身(果肉)を確かめて購入できる。』ことや『食べた後のごみが少なくてすむ。』などのメリットもあるようです。

また、カット売りが主流の販売方法となってきたので、『大きい品種』や『鮮やかな赤色または、ピンク色の品種』などが求められているようです。

すいかの選び方

選び方の基準は様々で、全ての品種にこれが適応するとは限りません。一般的には『表面の縞模様を見る。』『軽く叩いて音を聞く。』『つるもしくはつるの切断面をみる。』などの方法で甘味や熟度、鮮度をみるといわれています。

『表面の縞模様を見る。』は、日照条件が良いと緑と黒のコントラストがはっきりし、そうでないものは表面の色が薄く、コントラストがはっきりしていないといわれています。

『軽く叩いて音を聞く。』は、すいかの完熟度(中身)を見るのに用いられることが多く、『ポンポン』という音が食べ頃の物、『カンカン』という高い音は水分量の多いもの、もしくはまだ若いもの、『ボテボテ』という鈍い音は、熟れすぎているもの、もしくは落として中の果肉が空洞化しているものといわれています。

『つるもしくはつるの切断面をみる。』は、つるのついているものは、つる枯れしていないものの方が新しいとされています。また、つるの無いものは切断面の大きさをみて、小さいものの方が余分な水分がすいかに入り込まず、甘味が凝縮されているといわれています。

また、長雨続きの後のすいかは水分量が多く水っぽいであるとか、お店で購入するときの判断は難しいので、店頭の糖度表示や産地、店員さんの意見を参考にするとおいしいすいかを購入することができます。

すいかの栄養素

すいかの果肉は90%以上が水分でその他が果糖やブドウ糖などの糖分となっています。果汁にはカリウムやシトルリンという成分が含まれて、体内のミネラルバランスを整えたり、利尿効果を促進する効果があります。

果糖やブドウ糖はエネルギー転換率が早いので、疲れた身体を癒すのに効果があるといわれています。

また、種子にはリノール酸やタンパク質、ビタミンB群、ビタミンEが多く含まれていて、強壮効果や止血、のどの痛み抑制に効果があるといわれています。

すいかの保存方法

すいかは収穫から日が経つにつれて品質の劣化が起こり、『歯触り』や『味』が低下します。

鮮度の良いすいかを購入後は、すぐに『冷蔵庫で保存する』、『冷水に浸しておく』、もしくは『冷暗所で保存する』などの方法で保存するのが好ましいようです。また、すいかの甘味は果糖が主な成分で、冷やすと甘味が増すという特徴を持っています。食べる直前まで冷蔵庫で冷やしておき、その後カットして食べるのがおいしい食べ方のようです。

※ 保存温度が10度以下になると、味や歯触りが極端に悪くなるようです。

すいかの種類

すいかは、世界各国で約150種類以上が栽培されています。

日本国内種では、大別すると、形状の違いで『大玉種、中玉種、小玉種、ラクビーボール型、俵型』などがあり、果肉の色の違いで、『赤肉、黄肉、白色』など、表皮の色の違いで『縞模様(赤と緑)、黄色、黒色』などに分類することができるようです。

大玉種

現在、日本で流通しているすいかの主流で、表皮が緑色と黒色の縞模様があり、果肉は赤色が共通の特長です。ちなみにこの独特な縞模様は、獣や鳥などに山野で発見されやすくして捕食された後に、糞と一緒に種子が広がるようにする為に目立つ柄になったとか。

現在流通している品種には『縞王』『祭りばやし777』『富士光』『天竜2号』などがあります。

黒皮種

表皮が黒色で果肉は鮮やかな赤色をしているものが一般的。(果肉が黄色のものもあります。)

現在、日本ではごく限られた地域で栽培されていますが、(でんすけすいか『北海道当麻』やへそすいか『北海道富良野』などが有名。)東南アジアなどでは比較的多く流通しているようです。独特の食感と甘味があり、比較的日持ちがするのが共通の特徴のようです。

ちなみに『でんすけすいか』の由来は、米つくりが減少し、特徴のあるすいかを水田の転作作物として当麻農協が栽培するようになった結果、その作物が『田を助けた』ので『田助(でんすけ)』と呼ばれるようになったというものと、喜劇俳優の『大宮敏光氏』の舞台名『デン助』に由来しているというものがあるようです。

小玉種

形状や表皮の色、縞模様は大玉すいかと変わりませんが、果実の重さが1.5から2kg強の小型なのが特徴。これは大玉すいかの小さいものではなく品種改良で作られた品種で、そのまま冷蔵庫で保存することができます。

全般的に甘みが強く、表皮が薄いので割れやすいようです。

『紅こだま』や『黄こだま』などの品種が有名。4月~5月が旬の時期とされているようです。

黄色すいか

果肉の色が鮮やかな黄色をしている。(別称クリームすいか)

赤肉すいかと比べると上品で比較的淡白な風味で流通量はそれほど多くないようです。形状は大玉の他に小玉やラクビーボール状のものもあり、表面が通常の縞柄の他に、黄色のものもあるようです。

種なしすいか

1948年に京都大の木原均博士が種なし西瓜の栽培に成功、その後1970~1980年にかけて市場で多く流通していたようですが、最近国内ではほとんど出回らなくなりました。(苗などは種苗会社から購入することができます。)

これは、栽培が難しいこと、晩生種であること(比較的価格が安いこと。)、完熟するのに時間がかかること、味ムラがあることなどの理由で生産者が嫌い、栽培されなくなったようです。

これは、栽培が難しいこと、晩生種であること(比較的価格が安いこと。)、完熟するのに時間がかかること、味ムラがあることなどの理由で生産者が嫌い、栽培されなくなったようです。

しかし東南アジアでは台湾で改良された品種が多く流通して、現在の主流種になっているようです。

その他のすいか

黒部すいか

富山県特産の細長く楕円形をしていて、果実重量が10~20キロ以上あり、『まくらすいか』などと呼ばれることもある。

贈答品として少量出回っており、出荷時に両側をわらじのような(あんこ)を巻いて出荷される荷姿が特徴的。

源五兵衛

和歌山県では『源五兵衛』という果肉の白い品種が、漬物用として(特に奈良漬。)栽培されています。

その他に、中国やアフリカ地域では、種の大きな品種を食用にする為に栽培しているものもあるようです。

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