水耕栽培

水耕栽培

水耕栽培とは土を使わず、栽培に理想的な状態に保った培養液で作物を栽培する栽培方法です。培養液や温度、湿度をコンピュータで管理することで、病害虫や連作障害などの生産リスクを減らし、高品質の作物を計画的に栽培することができます。

水耕栽培を大きく分類すると固形培地栽培(ロックウール栽培・砂栽培・れき栽培・薫墨栽培とハイドロカルチャーなど)と非固形培地栽培(水栽培・水気耕栽培・噴霧栽培など)に分かれます。

ロックウール栽培

ロックウールとは、輝緑岩や玄武岩などに石灰石やコークスを混合し、熱処理したものを繊維化したもので、アスベスト(石綿)とはまったく別物。保水性・保肥性・通気性に優れ、その上無菌で無機質。水耕栽培などで土に代わり培地として使用されることが多く、手間もかからず、生産性も向上するので室内での限られたスペースで行なう栽培に大きなメリットがあるとされています。

水と水耕栽培

土を使わない栽培


土を使わない栽培

桃沢農園では、富士山や愛鷹山の豊富な湧水があるここ元長窪地区で、平成7年より葉物野菜などの水耕栽培を行なっています。大量に水を使う水耕栽培にとってこの場所はもっとも適した場所だといえるでしょう。

ハウスの中で管理栽培を行なっている所を見学させて頂いた感想は、栽培床の上に整然と並んだ作物はさながら「農場(農園)」というよりも「野菜の工場」と言った印象を受けました。

栽培過程

は種
は種

栽培トレーにロッククールを装填して、その中に5~6粒(時期によって変化)程の種を摂取していきます。

発芽
発芽

発芽後数日経過したほうれん草の苗。

栽培トレー一枚で144本の苗の育苗ができるようになっている。

自動散水機
自動散水機

育苗用自走式潅水装置。

苗への散水作業を自動で行なってくれます。自動育苗機導入以前はこの機械もフル稼働で育苗作業を行なっていたそうですが、現在は余り使用されていないようです。

栽培床に苗定植
栽培床に苗定植

育苗期間終了後、ハウスの中の栽培床に苗を定植します。

栽培床はちょうど作業がし易い高さに作られていて、収穫作業なども腰を屈めないで行なうことができます。

収穫作業
収穫作業

収穫作業の様子。

土耕栽培と異なり、栽培床が作業し易い高さになっているので、植付や収穫作業などスタッフに係る負担を軽減しているようです。

栽培床の構造
栽培床の構造

一番上部(白色)が育苗した苗を定植していく水耕パネル部分。

防水シート(栽培ベット)と水耕パネルの間に培養液と酸素が循環するようになっているようです。

培養液の入ったタンク
培養液の入ったタンク

上部写真のようなタンクが数個あり、各々の栽培床に24時間水溶液を循環させています。またこの機械は簡単に栽培床の熱消毒作業なども行なえるようになっているようです。

制御装置
制御装置

右上写真の培養液タンクなどの制御を行なう制御盤。

桃沢農園さんのこれらの栽培システムはナッパーランド(太洋興業株式会社製)という技術を使用しています。

ハウス内暖房機
ハウス内暖房機

冬の時期などにハウス内の温度を一定にする為の暖房機。

水道管の凍結防止や、作業するスタッフの作業効率の為には必要不可欠です。

『ナッパーランド』大洋興業株式会社

桃沢農園について

桃沢農園には栽培ハウスが2拠点あり、合計約1,300㎡で生食用葉野菜類などを栽培しているようです。商品の供給先は市場や地元産直市等がメインですが、この他に、個人顧客へも口コミで話題になり、宅配によるセット販売なども行っており、現在では年間30品目、常時10~15品目ほどの野菜を栽培しているそうです。

今後も、「今まで通り地域と密着した顔の見える生産・販売をやって行くとともに、現在ある栽培用設備をもっと有効的に活用して栽培を充実させて行きたい。」と田口さんは言う。

その他栽培中の野菜

ルッコラ
ルッコラ

西アジア~地中海沿岸地方の原産のアブラナ科の1~2年草。古代エジプト時代より栽培されていたハーブで、現在ではスーパーなどでも一般的に流通しています。

「ロケットサラダ」・「エルーカ」などとも呼ばれます。

ロメインレタス
ロメインレタス

ギリシア、コス島原産で「コスレタス」とも呼ばれています。日本では、完全に結球せず葉が立ち上がっているので、「立苣(タチヂシャ)」などとも呼ばれます。

葉が肉厚でしゃきしゃきした歯ごたえがあるのが特徴で、通常のレタスに比べてビタミンCやβ-カロチン、フラボノイドが多く含まれており、シーザーサラダなどに使われます。

バジル
小松菜

写真はバジルの中でも一般的な「スイートバジル」です。

強い芳香と殺菌効果を持つ、シソ科の一年草。 主な食効果として食欲増進・消化促進の効果があるといわれていています。また、様々な食材との愛称が良いことから、レストランはもちろん最近では一般家庭などでも調理によく使われる食材になって来ます。

コリアンダー
ほうれん草

せり科の一年草。コリアンダーとは英名で「香菜(シャンチァイ)」や「パクチー」とも呼ばれます。くせのある芳香があり中華料理やタイ料理には欠かせない食材です。ちなみにコリアンダーの種は葉とはまったく別の爽やかな香りを持つ香辛料として(コリアンダーシード)使用することができます。

ピンクロッサ
小松菜

エンダイブとリーフレタスの交配種で葉チシャの一種。

非結球型で葉先が綺麗なピンク~赤色をしていて、葉が全体的に細かく縮れているのが特徴。シャキシャキとした歯触りがあり、若干苦い。葉先の色が綺麗なので、サラダの色味付けとして使用されることが多いようです。

京菜(千筋)
ほうれん草

食べたとき独特のしゃきしゃき感があり、「ハリハリ鍋」以外に最近ではサラダなどの生食用としてのニーズが増加しています。

サラダほうれん草
サラダほうれん草

水耕栽培でほうれん草を栽培することで、農薬を使わない、あく(ショウ酸など)の少なくて柔らかい生食用のほうれん草を作ることができます。

ミニセロリ
ミニセロリ

通常のセロリと異なり、茎が白く細身で、見た目はちょうど三つ葉に似ています。

セロリほど匂いが強くなく、ビタミンCも豊富で生食用として流通しています。

出荷カレンダー

出荷カレンダー

※ 出荷時期はあくまでも目安です。

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