だいこん

だいこんの歴史

原産地は東ヨーロッパから中央アジア周辺地域といわれています。

歴史的には大変古く、紀元前の古代エジプトでは、ピラミッド建設の従事者などによりすでに栽培されていたという記録があるようです。また、日本へは古くシルクロードを経て中国から渡来したらしく、『万葉集』や『日本書紀』には「スズシロ」と言う古名でよく歌われていますので、かなり昔から一般的に栽培食用されていたようです。

だいこんの旬

ダイコンの種類は大変多く、収穫期によって春大根(4~6月)、夏大根(7~9月)、秋冬大根(10~3月)などに大別されます。

一般的には、春大根は形状が細くて柔らかく甘味も香りも弱めで、夏大根は比較的辛味が強く、秋冬は水気も多く甘味が強いとされていています。

様々なだいこん

青首だいこん

最も一般的に市場に流通している青首大根は宮重系の「耐病総太」と言う品種です。

青首大根は地中に浅く根を張り、成長とともに根の上部が地に出てきます。根の上部は日光を浴びていて青くなるので、青首大根と呼ばれています。 又、甘く柔らかい肉質は、煮物にも生食にも向く万能型で、大きさも扱いやすい小ぶりのサイズで、生産者と消費者の両方に歓迎されています。

三浦だいこん

形状が大きく中央が太った大根で、加熱すると甘味が増すので、おでんやふろふき大根などの煮物に向いています。練馬大根の改良種です。

聖護院大根

京都を中心に関西に広く分布しています。きめが細かく柔らかいので、生食や煮物などに向いています。

京都のお寺では、参拝者の無病息災を祈願し、毎年冬に聖護院大根を振る舞うところがあります。

桜島だいこん

鹿児島県桜島の特産で巨大な丸大根です。大根の中でも世界最大級の品種で、根の重量は大きいもので30kgにもなり平均7~10kg程、ちょうどサッカーボールほどの大きさか、それ以上になるそうです。

守口だいこん

直径は約2.5センチ、長さは平均1.2メートルと世界一長い大根です。約300年前に中国から伝わった原種を初めて栽培したのが守口治衛門氏だったことからこの名前がつきました。

辛味が強く、肉質が緻密でかたいため料理には向かないが、粕漬けにすると歯ごたえがあり、守口漬けとして有名です。

辛味だいこん

その名の通り、辛味が強く薬味として料理屋、蕎麦屋で使われます。昔からある伊吹大根(ねずみ大根)は小かぶのような形状をしています。

かいわれだいこん

双葉が二枚貝を割ったような形状をしているので「貝割れ」と呼ばれるようになりました。正式には「大阪四十日」という大根の一種で、スプラウトの代表といえます。(スプラウトとは、植物の新芽の総称のことです。)

ラディッシュ

ヨーロッパ大根の一種で、世界最小の大根と言われています。一般的に赤く球形をしているものをよく見かけますが、円錐状や円筒状のものもあり、さっぱりしていてサラダや酢の物に利用されます。

生育が早く二十日もあればできることから「二十日大根」などとよばれています。

部位別の特徴

葉の部分

栄養価も高いので、葉物野菜などと同じように使用。(油いためや佃煮、漬物など)

根の上部分(首の部分)

繊維質が多く固いので細かく刻む料理向き。(大根おろし,なます,ぬか漬け,サラダなど)

真ん中(中央の太い部分)

最も柔らかくて甘みがあり、形状も揃っているので煮物料理などに最適。(おでん、ふろふき大根などの煮物)

根の下部(先端部分)

一番辛味の強い部分。(薬味、辛口おろし、味噌汁の具など)

だいこんの栄養価

大根には、デンプンの消化酵素であるジアスターゼやたんぱく質や脂肪の消化を助けるオキシターゼ、胃液の分泌を促進してくれる辛み成分のアリル化合物を多く含んでいますので、消化を助け整腸作用があるとされています。

ビタミンCやB2も豊富で美肌効果があります。特に大根の皮の部分には中心部の約2倍のビタミンCが含まれています。調理方法などを工夫して、皮まで使うようにしましょう。

発ガン性物質を分解するとされる繊維質のリグニンや、ガン抑制効果があるとされている、前記したオキシターゼは、焼き魚の焦げに含まれている発ガン性物質を抑える効果があるといわれています。焼き魚のお供に大根おろしがつくのはこういうことからのようです。

葉部には根部にはないビタミンA・Eが含まれ、ビタミンCは根の5倍も多く含まれます。また、食物繊維などに富み、ガンや骨粗しょう症の予防、貧血の改善などに役立ちます。葉のたんぱく質にはアミノ酸のリジンやミネラルも多く、ダイコンの葉は堂々たる緑黄色野菜の仲間と言えるでしょう。

鮮度の見分け方

葉の色つやがみずみずしく、根部に白く張りがあり、みずみずしいものを選びましょう。

また、葉やひげ根でも鮮度を見分ける事ができます。茎の切り口にスが入っているものは、大根自体にもスが入っている可能性もあります。注意しましょう。

葉にも栄養価が多量に含まれていています。おおいに活用できるので、葉つきのまま購入しましょう。

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