水菜

水菜の歴史と呼称名

日本原産のアブラナ科の葉菜類で、平安時代にはすでに京都周辺で栽培されていたようです。

江戸時代の農学書などには『水菜は蕪の葉より旨く、その種子から採った油を刀剣に塗ると錆びない』等と記載があります。

一般的には水菜と呼びますが、関東圏では京都の葉菜なので京菜と呼ばれることが多いようです。その他、葉のギザギザがヒイラギに似ているので『柊菜(ヒイラギナ)』、株の部分から何本も枝分かれしているので『千筋菜(センスジナ)』などと呼ばれることもあります。

因みに、水菜と呼ばれるようになったのは、肥料などを使用せず、土と水のみで栽培する栽培方法にあるようです。

水菜の特徴

葉や軸の部分が薄い緑色、すらりと細長く、葉は群生していて、深い切れ込みがあり、大きいもので周囲が1メートルになるものもあります。

また、寒さに強く、霜に当たった物は柔らかく、特においしくなります。関東で市場に出回る物は東京や千葉・埼玉で栽培されたものが主流でしたが、最近は京都や近畿地方からも新鮮な物が入ってくるようになってきました。

葉緑素の効果

水菜に限らず青菜全般には多くの葉緑素が含まれています。この葉緑素は血液中の様々な有害物質と結びついて体内を浄化してくれます。

タバコのニコチンやアルコールのアルデヒド、肉食による尿酸などは体内の細胞や血液を酸化させる、いわば有害物質ですが、葉緑素のもつ解毒作用でこれらの物質から細胞を守ってくれます。

また、葉緑素の分子構造は人間の血液を構成するヘモグロビンと非常に似ていますので、葉緑素を摂取することで、体内の血液(ヘモグロビン)を作り出す手助けができます。

壬生菜

もともとは京都の壬生で栽培された京野菜で、葉に切れ込みがなく、葉先が細くて丸みのあるものが良品とされているようです。

壬生菜の栽培はほとんどが関西中心で、特に滋賀県の栽培量が多く、続いて京都となっています。水菜から分かれた栽培品種であるとされています。

水菜の栄養価

京菜にはビタミンA(カロチン)・ビタミンC・ミネラル(特にカルシウム・カリウム・鉄)が多く含まれています。

ビタミンAには喉や鼻の粘膜などに潤いを与える効果があり、ビタミンCにはストレス解消や最近への抵抗力を高める効果がありますので、冬の風邪予防や肌荒れなどに大変効果があるようです。

また、冬の食生活では不足しがちなミネラル分補充することもできます。

鮮度の見分け方と保存方法

水菜という名前通り、葉先までみずみずしく、緑色が濃くて、柔らかいものを選ぶようにしましょう。また一株が大きいもので、特に冬の時期の霜が降りたものの方が味は良いようです。

保存は、濡れた新聞紙などで包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて冷蔵保存します。水菜は余り日持ちしませんのでなるべく早く使い切るようにしましょう。また、根元部分の土は調理する前に綺麗に洗い落としましょう。

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