ヤーコンとは
ヤーコンは南米アンデス高地原産のキク科の多年草(根菜)で、日本には1985年にニュージーランド経由で導入され、今年で13年目を迎えるまだ新しい作物です。
特徴はヒマワリに似た大きな葉茎、そしてサツマイモに良く似た塊根(芋)で、糖尿病などの生活習慣病予防に繋がる不思議なイモとして最近では周知さられるようになりました。
ヤーコンの特徴
アンデス山地でインカ帝国の昔から栽培されていた歴史のある植物で、塊根(芋)部分は非常に水分量が多く、梨のような歯触りと甘さがあり、当時は生で食べていたようです。
又、葉茎部はそのまま食すとかなり苦いので、乾燥して薬草として使ったり、お茶や飼料にしていたようです。(アンデス地方で昔から愛飲されてきたお茶「オロ・ベルテ」。この主成分はヤーコン茶葉でした。)
ヤーコンの種類
1985年以降に導入されたヤーコンにはペルーA・ペルーBの二種類があるようです。
主にペルーAは芋の部分が大きく食用として栽培されており、ペルーBは芋の部分が小さく加工用として栽培されているようです。また、国産品種として四国農業試験場で開発された「サラダオトメ」(ヤーコン農林1号)という品種があるようです。
ヤーコンの栽培方法
栽培は水はけの良い土地を選び、高畦にします。霜を避けてできるだけ早く植える収穫量が多くなります。
主肥料は馬鈴薯と同程度で良いようです。収穫期は10月から12月で、家庭菜園では食べるときに掘るのが良い方法です。早く収穫すると割れの少ない水々しい芋が多く、収穫が遅くなると割れが多くなりますが、フラクトオリゴ糖と収穫量は多くなります。
またヤーコンは生命力が大変旺盛で栽培し易く、農薬を使用しないで栽培が可能なのだそうです。
アピオスの花
アピオスは7~9月にかけて紫色のスミレのような濃厚な香りをもつ花が付きます。各々の花自体は小さいく、それらがちょうど藤の花のように密集して咲くようです。
ヤーコンの葉茎部
10月から11月にかけて、葉が落ち成長が止まりますが、そのまま掘り出さず1ヵ月ほど地中に置いておいたほうが甘みが増します。また、地中にそのまま置いておけば保存しておくことができます。
アピオスの栄養価
葉には、カルシウムやカリウム、マグネシウムといった、健康に欠かせないミネラルが豊富に含まれています。その舎有量はせん茶に比べ、カルシウムとカリウムは2倍以上、そしてマグネシウムは3倍以上と高含量です。※1カテキン、※2配糖体(フラボノイド、多糖類)、※3テルペン類、ミネラル類(カリウム、カルシウム、マグネシウム、※4亜鉛、鉄など)を多く含みます。
- カテキンには、老化を促すといわれる活性酸素の発生を抑える作用がある。
- 配糖体には、血管壁の強化、また血糖値を下げる働きがあります。
- テルペン類は、制ガン作用があるとされている。
- 亜鉛には、インスリンの分泌を促す働きがあります。
ヤーコンの塊根部
塊根部(芋)の形状はサツマイモに良く似ていますが、味や歯触りは梨のような甘さがあります。
現在市場に出回っている野菜の中で、もっともオリゴ糖を含んでいて、その他ポリフェノールや食物繊維、水分を多く含みカロリーも低く、ダイエット食品として現在期待されているようです。
成分別効果
カルシウムの吸収率アップ
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、身体にとって大切な栄養素です。
フラクトオリゴ糖摂取によって増えたビフィズス菌からつくられる有機酸が、これらミネラルの吸収を高めるといわれています。
食物繊維と同様の効果
食物繊維は人体の健康を保持するために必要なもので、適量な摂取は、便通を良くし、コレステロールの正常化等に影響があります。フラクトオリゴ糖は、この食物繊維と同様、腸内をきれいにする機能をもっています。
うれしい低カロリー
カロリーになりにくい糖です。フラクトオリゴ糖は胃や小腸の消化酵素では分解されず、大腸にそのまま到達します。消化・吸収されないことにより、カロリーは砂糖の半分(2kcal/g)となります。カロリーが気になる方や中高年の方に最適な糖、それがフラクトオリゴ糖です。
虫歯になりにくい糖質
フラクトオリゴ糖は、ミュータンス菌による不溶性グルカンと乳酸の生成が砂糖とくらべて少なく、虫歯の発生率が低いことが報告されています。