地産地消とは
地産地消とは、『地元生産-地元消費』あるいは、『地域生産-地域消費』を短くした言葉で、『地元(地域)で作られた生産物を地元(地域)で消費する。』という意味です。一昨年辺りから頻繁に報道されている無登録農薬や残留農薬の問題、虚偽の原産地表示や不法食品添加物の混入などの問題を受け、生活者の食や環境へ対する安全や安心への意識の高まりの中、近年良く耳にする言葉になってきています。
そもそも『地産地消』という言葉は『四里四方(だいたい16km四方)で取れるものを食べることが健康に良い。』という『身土不二』(しんどふじ)の考え方がその原点とも言われています。
ファーストフードやファミリーレストランの利用増加や、冷凍食品やスーパーなどの調理済み食品への依存など、現在の食生活事情は便利になった反面、食と農のつながりが遠くなり、『遠産遠消』になっている現状にありますが、(特に輸入食材の取扱量増加など)昔から地域農業に支えられてきた日本型食生活『真土不二』の考えかたを日々の生活に取り入れていくことで、体も健康になり、『消費する地元の人』と『生産する地元の人』の結びつきを強め、地域の環境(大気、河川、ごみの廃棄など)について地域住民が自分たちの環境に責任をもち、より良い形でその地域全体が自立して行動して行けるものとしての意義があります。
トレサビリティー(トレースアビリティー)とは
英語で表記すると”traceability”となり”trace”(追跡)と”ability”(可能)を合わせた言葉、『栽培履歴』などという意味になります。具体的には、食品の安心・安全のために、生産物が生産(または飼育)されてから店頭に並ぶまでの過程で、どこで、どのような状況(飼料や農薬、土壌改良剤などの使用)で生産され、どこを経由して品物がやってきたか?等追跡できるようにするシステムのことです。
最近のスーパーの野菜売り場に、生産者さんの顔入りラベルなどで『○○さんが作った○○』のような表示をされたものもこの『トレサビリティー』の一つです。
この『トレサビリティー』が私たちの生活に必要なのには、事故の発生時、商品の追跡や回収行為を容易に行えるようにする事と、生産者・あるいは生産品の情報を開示して、一般消費者と『顔の見える信頼関係』を構築する事の二点が挙げられます。
前者は狭い意味の『トレサビリティー』で事故が起こった後で、責任の追及を容易にするもの。後者は、『アカウンタビリティー』(説明責任)といい、事故が起こる前にそれを予防しようとするもので、この二点を含めて『トレサビリティー』と定義されているようです 。
スローフードとは
スローフードとは食材(foods)そのものを示すものではなく、ふだん口に運ぶ食べ物をもう一度見つめ直し、暮らし方(生き方)や自然環境、家族や地域社会のあり方などを考え直そうとする、食生活を中心としたライフスタイルの提案です。これは所謂、グルメ思考とは異なり、その土地の風土に根差した調理方法であったり、その調理方法から考察するいわば哲学のようなものであったりするようです。
『スローフード』の語源はもともと、イタリアのローマに『ファーストフード』一号店出店にあたり、『食生活の画一化』を危惧した、カルロ・ぺトリーニ氏(現在スローフード協会の会長)らが仲間と食卓を囲んでいたときに、『ファーストフードの脅威』という問題の中で、その中のひとりが口にした『ファーストフード』に対する反対語『スローフード』という言葉がその語源とされています。
その後マスコミもその運動を大きく取り上げる中、北イタリアの小さな町ブラ(BRA)に『スローフード協会』という非営利組織(NPO)が発足され、現在ドイツ、スペイン、アメリカ、ブラジル、ならびにハンガリーなど東欧諸国、日本など世界38カ国、132の都市にあわせて約6万人の会員をもつ一大組織として活動して模様です。
主な活動内容は、単にファーストフードの排斥運動ではなく、伝統的な郷土料理や食材を守るほか、質の高い素材を提供する小生産者の保護、消費者への情報発信などを目指し、個性や健全な成長、味覚を育てるチャンスを促進することだそうです。